NHKのラジオ番組に「昼の憩い」という番組がある。
実りの秋、家族総出で稲刈りをする。私が小学生の頃のことである。午前中の作業を終えて、ご飯やお数を詰めた弁当で家族そろって昼食を摂る。その辺に生えている草木を適当な長さで折って、皮を剥いたりして作った即席の箸で、弁当箱に詰めたご飯やお数を食すのである。
昼飯のあと車の陰に、ゴザを敷いてからだを休める。そのとき、決まって聞いていたのが「昼の憩い」だった。最近は、スマートフォンでもラジオ番組が聞けるようになって、つい、懐かしくて最近、時々聴く機会がある。
驚くべきことに、この番組は数十年前とまったく変わることなく同様の構成で放送されている。番組の開始に流れる音楽もまったく変わっていない。その音楽を聴くと、ぼくが子どもの頃、家族総出で稲刈りをしたときのことを思い出すのである。
もう、その頃に戻れないが、家族がみんな揃って家業に勤しんだ、懐かしい思い出と、今はもう経験できないが故の郷愁に浸ってしまうのである。
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