書きながら考えるのである。

考えたことを記すのではなく、書きながら考えるのである。書くことが先で、その後考えがまとまってくるのである。書くことは、すなわち考えることなのである。

 書くことをせずに考えても、その凝視から逃れることはできない。考えたことに囚われてしまうのである。“考え”が頭の中でぐるぐる回ってしまって際限のない蟻地獄の淵に立たされ、まさに落ちんとする危機に立たされてしまう。堂々巡りのトンネルの中に自らの身を置いてしまう。そのことに気づけばよいが、なかなかそれができないのだから始末が悪い。

 とにかく書いてみることである。書き始めるのである。何かの拍子でキーワードがペンの先から紙に表出されることがある。そのキーワードから考えが自由に遊び始める。書き始める前には意識しなかった考えが頭に浮かぶ瞬間に立ち会える。 次は、発散した考えを纏めることだ。そして、紙に書きるけたとは忘れてよい。忘れるために書くのである。 

複数のキーワードを見るとき、文章を読むときと違って、キーワードとキーワードとの間の余白が想像力を呼びさまし、頭の中では本やセミナーや講演の様子や、そのとき自分が何を考えていたのかを確認できるのである。

振り返るのは、なるべく早い方がよい。振り替えながら、書き落としたことを思い出すことができるかもしれない。すかさず、メモするとよい。その際、違う色のペンで、日付と「加入」と記すのである。そうすれば、あとで思い出しながら記入したことが後になって確認できる。

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