ホッブスは、人間の自然状態を万人の万人に対する闘争と説いた。そこでは、最も力のあるものが闘争に打ち勝つ世界である。この地獄の世界を脱するために、自然状態にある人間は、契約によってリバイアサンという怪獣に自らの命を預けるのである。
さて、このリバイアサンが政府である。そこでは、リバイアサンをコントロールするための手段が必要になる。この手段の一つがConstitution( 憲法 ) である。従って、憲法を遵守するのはリバイアサンであり、政府である。 現在のところという注釈はつくが、最もベターな政治体制が民主主義であり、立憲主義である。
すなわり、国民が主権者であり、そして、代議員を通じて民主主義や立憲主義という道具をを用いる、そのことによって、政府が憲法に悖る行為をしたり、暴走したりしないようにするための道具が憲法である。
民主主義は、人類の歴史上、当初から存在していたわけではない。長い人間の歴史上の努力の賜物である。不断の努力が無ければ容易に崩れてしまう脆いものである。だからこそ、国会議員は、国民の代表者として、ーーーつまり、選挙区の有権者の代表者ではなくーーー自らの頭で考え、考動することを願う。
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