遺言について考えてみようと思う。
遺言についての話は口に出しにくい雰囲気がある。 たしかに、そうであろう。しかし今一度よく考えてみてほしい。 長年夫婦として添い遂げながら、ある日突然夫に先立たれた妻は、夫の法的に有効な遺言が無いことから、大変な苦労を背負い込むことがある。
例えば、夫婦で協力し財産を築きながら、その遺産が夫の名義だったため、夫の兄弟から相続の権利を主張されることがある。 第三者的な見方をしても理不尽だと感じるケースはたしかにある。
たとえば民法の相続法を適用し夫の兄弟から遺産の分割を請求され、それに応じざるを得ないことがある。裁判を起こしても相続法に反した内容の勝訴判決得ることは簡単なことではない。 自分の妻を愛しているのなら、自分が死んあと、そのことによって妻が困らないように、自分が元気なあいだに遺言書を作ることを提案したい。
誰にでも死はいつか訪れる。死ぬことは確か怖いし、死にについて考えることもしたくない。人情としてはむしろ自然であり、私自身も例外ではない。 しかし、パートナーを愛しているなら、又感謝の念があるのなら、むしろ残されたパートナーが路頭に迷わないように手立てすることは責務ではないだろうか。責任であると言い換えてもよい。
遺産のことで親族間で揉めることのないようにすること、また、家族を守りたいと考えるのであれば、遺言書を作成することを、わたしは勧めしたい。
ただ、遺言については厳格な要件が法律で定められているので、要件を欠く遺言書は無効になってしまう。自分で本を買って研究するか、専門家に相談することをお勧めしたい。
付け加えて述べるののであれば、公証役場で、遺言を公正証書にしておくと、遺言の執行が格段にスムーズに行える。家庭裁判所の検認手続は省略できるし、不動産の登記も凍結された預貯金の相続手続きも比較的簡単にできる。 試みに、一度「自筆遺言証書」作ってみたらいかがでしょうか。心の中のとげの一つが抜ける思います。
遺言書は何度でも書き変えることが出来るので、安心して作ることができます。なかには、遺言書書き換えを年中行事にしておられる人も、おられるようです。
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